カテゴリー
原子力発電 原発事故 東日本大震災 震災

福島第一原子力発電所1号機

 言わずと知れた福島第一原子力発電所1号機。アメリカのGE(ジェネラルエレクトリック社)の基本設計で、GEにより建設され、今や上場廃止となりそうな日本の東芝がメンテナンスを引き継いだ原発です。(Mark_1初期型)

ところが、あまりの不具合の多さに東芝では手が廻らず、日立製作所がその後を引き継ぎ、重要構成機械のPLRポンプも含め、ほぼ全ての機器を国産に入れ替えて運用を続けられた原発が「福島第一原子力発電所1号機」です。ただし、基本構成物の原子炉格納容器等は当時のGEの設計のままです。

 炉心シュラウド交換工事の時には私も一部従事していました。

カテゴリー
ATRふげん トリチウム 処理水 原子力発電 原発事故

トリチウム入り処理水!!

 日本は比較的にトリチウムの人体に対する影響についての研究が進んでいると思います。

 それは、使用した燃料よりも多くの燃料を作り出す、夢の核燃料サイクルを実現するべく運転され、現在はすでに廃炉となったATRふげん発電所の運転によって相当なデータが蓄積されて居るからです。(ATRとは、重水減速沸騰軽水冷却型原子炉/新型転換炉と呼ばれるウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を本格的に使用した世界初の発電炉であり、濃縮しないウラン燃料を使用する等の研究も行なわれていた。)

 何故ATRふげん発電所の運転がトリチウムの人体に対する影響についてのデータ蓄積になるかと言うと、ATRでは中性子の減速材に重水を使用していた為、重水が原子核に中性子を取り込む反応が起き、発電所自体が巨大なトリチウム製造工場となっていたからです。

 この施設のメンテナンスを行う事=トリチウムの存在する空間での作業となり、ドライスーツの様な装備を着用していても必然的に体内にトリチウムを取り込む為、定期的に体内のトリチウム濃度を測定する必要が有りました。

 皆さんもご存じの様に、トリチウムと言うのは三重水素の事です。物理的半減期が12年(生物学的半減期は新陳代謝等を考慮し、およそ10日。)で弱いエネルギーのβマイナス壊変を行うトリチウムは、普通の水素が原子核の陽子1個と軌道電子1個で構成されている事に比べ、重水素は原子核の陽子1個と軌道電子1個に加え原子核に中性子1個が加わった原子となります。そしてトリチウムとは、更に原子核に中性子が1個加わった水素原子です。

 したがって、トリチウム自身が水素原子である為、分子構造に水素原子が含まれる物質(典型的な物質の「水」等)には均等に分布します。「水」は人体の約70%を構成します。通常の呼吸や皮膚呼吸等によって人体に取り込まれたトリチウムを含む水は接種後約1.5時間で体内に均等分布する事が判っています。

 私が「ふげん」発電所の定期検査に従事していた頃は体内のトリチウム濃度を測定する為に定期的に尿を採取し、尿中のトリチウム濃度を液体シンチレーターで測定する事を行っていました。これをバイオアッセイ法と言います。(体内にトリチウムが均等分布する事を前提で行っています。)

 よく、「海洋放出の時に処理水を薄めたからと言って、海藻や魚介類に選択的にトリチウムが濃縮される事が有るんじゃ無いの?」とか言った疑問を投げ掛ける方がいらっしゃいますが、選択的に濃縮出来るのであれば、濃縮してトリチウムを除去する事が出来るでしょう。

 トリチウムは簡単に濃縮したり除去したりが出来ないからやっかいなのであって、私個人的にはお金を掛けて「天然ウランの濃縮技術」を利用し、中性子1個分の重さの違いから「遠心分離法」を使えば濃縮出は来るのでは? 等と考えて居ましたが、成功しても莫大な費用が掛かるでしょう。まー、ウラン238とウラン235の場合は中性子3個分の重さの違いがある事に比べ、重水とトリチウムでは中性子1個分の違いしか無いので、更にハードルが高いし・・・「でも、軽水とトリチウムなら中性子2個分になるな・・・」等と考えてはみました。

ウラン燃料濃縮の遠心分離法

 トリチウム濃度を測定する為に液体シンチレーター等の高価な測定機器が必要である事もやっかいな理由でしょうか。

カテゴリー
プレートテクトニクス理論 原子力発電 原発事故 震災

青く輝く美しい地球に住む世界の皆さんへ。

 2023年5月31日、原発の運転期間の延長を盛り込んだ束ね法「GX脱炭素電源法」が、参院本会議で可決、成立した事により、60年を超えて原発の運転が可能となりました。

 今迄の運転期間の制限は、原子炉等規制法(炉規法)で原則40年、原子力規制委員会が認めれば最長20年延長できると規定され、原発事故後、当時野党だった自民・公明の両党も賛成してこの制限が導入されました。

 ところが今回の改正は、規制委の審査や裁判所の命令、行政指導などで原子炉の運転を停止していた期間を運転期間から除くことで延ばす。

これにより運転開始から60年超の運転ができるようになりました。

また、原子力基本法も改正し、電気の安定供給や脱炭素の観点から、原発の活用に必要な措置をとることを「国の責務」としたらしい。

 「国の責務」を真面目に考えるのであれば「日本」と言う国がこの地球上で最も原子力発電所の運用に適さない「不安定」な場所に位置し、常に地震や自然災害の危険と隣り合わせである事を考えるべきだと思います。

 そして一度事故が発生すると、大気中に放出された放射性物質は偏西風等に乗って世界中へ。海洋に放出された放射性物質は黒潮に乗って環太平洋全域に。日本だけでは無く、世界中に被害が拡散します。

 太古の昔から、日本は地震が多発する地域であった為、活断層による地震発生のメカニズムの研究は世界一進んでいると言っても良い程です。 この活断層がズレる事によって発生する地震は世界的に認識されているプレートテクトニクス理論によって説明出来ます。

日本は4枚のプレートがひしめき合って地球上に出来た「シワ」なんです。

カテゴリー
原発事故 東日本大震災 震災

東日本大震災から、今日で12年。

東日本大震災を忘れない。

ANJIN

凍える様な冬の寒さの中、除染は大変だった・・・。

ANJIN

しかし、大地が汚染されていようが白鳥はやって来る!!

ANJIN

放射性物質によって汚染された大地に飛来した白鳥。

当然この大地が汚染されている事は知るよしもなく・・・。

カテゴリー
原発事故 東日本大震災 震災

明日の3月11日は、東日本大震災から12年

もう、あれから12年ですか・・・

ANJIN

 上の写真は、2014年6月に撮影した常磐線富岡駅前の様子です。福島第一原子力発電所のメルトダウンによって撒き散らかされた放射性物質の除染が終わっていない為、こんな状態で放置されていました。

ANJIN

 2枚目の写真も同じく常磐線富岡駅前の様子です。正面遠くに富岡駅のホームが見えます。

 震災の被害だけであれば復興は直ぐに始まるのですが、これに放射性物質による「汚染」が加わると大変な事になる事は実証された筈です。

 どんなに技術の進歩があっても、わざわざ核分裂の熱を利用してお湯を沸かす必要なんて無いのですけどね。

カテゴリー
ゴルフ場 原発事故 東日本大震災 趣味 震災

放射性物質によって汚染されたゴルフ場

 下の写真を見て「ピーン!!」と来た方は相当なゴルフ通 ですね。

 かつて福島県双葉郡富岡町に存在した”リベラルヒルズゴルフクラブ”のホテルです。

 リベラルヒルズゴルフクラブは、常磐自動車道の広野インターから約18.5キロメートル、富岡インターチェンジから約6キロメートルの位置にある太平洋沿いにあるゴルフ場でした。

 加藤俊輔氏の設計による戦略性の高いコースとして知られ、2000年にはLPGA日本女子プロ選手権が開催されました。

 特に意図的に狭く、そして蛇行しているフェアウェイはティショットの難易度を大きく上げていました。

 こんなゴルフ場でしたが、2011年3月に発生した東日本大震災により発生した、福島第一原子力発電所の炉心溶融事故によって撒き散らかされた放射性物質の影響で汚染され、暫らく手を付けられずに放置された結果、およそ3年でフェアウエイが下の写真の様になってしまいました。(写真は2014年2月に撮影しました。)

冬に撮影した為、草葉が枯れていますが、夏場は草木が生い茂ります。

 ゴルフ場って、整備するコース管理の人達の仕事が如何に大切か判りますね。

 下の写真はまさしく「池」「ガードバンカー」「グリーン」の成れの果てです。(ひょっとしたら池では無く、ガードバンカーの半分に水が溜まっているだけかも・・・)

カテゴリー
原子力発電 原発事故 東日本大震災 趣味

格好の標的!!

日本の原子力発電所。

 再稼動させても近所の訳の判らない国や、虎視眈々と北海道を狙っている国にとっては格好の標的になるんだろうな・・・。

 ジュネーブ条約第56条ではダム、堤防、原子力発電所等の工作物を戦時下に保護するよう定めているけれど、ロシアのウクライナ武力侵攻を見ると原子力発電所や主要インフラが優先して攻撃されている。

 特に原子力発電所は原子炉本体に攻撃を加えなくても付帯設備を破壊すれば大事故を引き起こす可能性が有る。

 周囲を不穏な国家に囲まれている日本にとっては原子力発電に頼る事を避けなければならない。特に条約や約束を守る国なんか日本の周りには無い。

カテゴリー
原子力発電 原発事故 東日本大震災 趣味 震災

取り返しのつかない道を選択する日本

https://news.yahoo.co.jp/articles/5edfa3a6145ff0b92a8c3ca5f32dc0afc469711e

原子力規制委員会は原発の事実上の「60年超運転」容認に向けた原子炉等規制法(炉規法)の改正方針を決定、法案を了承したらしい。

ANJIN

 上の写真は原発事故により、人の居なくなった地区の様子です。日本全体が動物の楽園の様になってしまうのでしょうか?

 まあ、その方が良いって意見も有りますが・・・

ANJIN

人の居ない動物の楽園。

ANJIN
ANJIN

このページの写真は全て富岡町と夜ノ森地区で撮影しました。

ANJIN

カテゴリー
原発事故 東日本大震災 震災

東日本大震災を忘れない_2

ANJIN

 上の写真は富岡町内を走っていたJR常磐線の線路。正面に福島第二原子力発電所(2F)のスタックが見える。2013年11月撮影。

震災発生が2011年3月11日だった為、震災からおよそ2年が経過しているが、福島第一原子力発電所の事故により撒き散らかされた放射性物質による汚染の為、除染が完了するまで復興に手が付けられない。たったの2年、手を付けないとこんなになってしまう・・・・。

ANJIN

二枚目の写真は、富岡町夜ノ森地区を横切るJR常磐線の線路の様子。 2014年1月撮影。

 夜ノ森地区は上の写真の地区に比べて福島第一原子力発電所に近かった為放射性物質による汚染濃度が高く、更に復興が遅れる原因となった。